つい先日、美容師さんとの会話でこんなことがありました。その方の実家に、近所からいただいた冷凍のアユが20匹ほど送られてきたそうです。でも、美容師さんも実家の家族も魚をあまり食べないとのことで、「いらない?」と声をかけられました。どうやら、近所付き合いで断れずに受け取ったものの、どう処理するか困っているとのこと。
この話を聞いて、ふと思い出したのが私の父のことです。父も釣り好きで、毎回10から30匹ほど釣っては家に持ち帰っていました。でも、釣ってくる量が多くて、食べきれずに捨ててしまうこともしばしば。釣りすぎて近所に配ることもありましたが、美容師さんの話を聞いて、「やっぱり捨ててる人もいたんだな」と確信しました。
さて、もう多くの渓流釣り場が禁漁に入りましたが、禁漁直前になると「釣れない」という話をよく耳にします。これは、魚がスレてしまったからではなく、単純に魚の数が減っているからだと思うんです。理由は簡単で、持ち帰る人が多いからでしょう。
シーズン初めは、釣り場に行けば魚の影がよく見えましたが、秋になるとその姿がほとんど見えなくなります。これは間違いなく、魚が持ち帰られて数が減ったからでしょうね。
多くの渓流釣り場では、自然繁殖が難しい環境にあるため、シーズン初めに放流された魚に頼るしかないのが現実です。ある意味、渓流タイプの管理釣り場と言っても過言ではありません。一般的な管理釣り場では、多いところだと毎日、少なくとも数日ごとに放流を行いますが、渓流ではそれがないため、シーズン終わりになると魚はどんどん減っていきます。
私としては、魚がいつもいる釣り場が理想です。できれば、来年まで魚が持ち越されて数が増え、放流量を減らせることで遊漁料が下がれば良いなと考えています。しかし、現実は厳しく、遊漁料は年々高くなる一方です。
魚を何匹持ち帰るかは個人の自由ですが、釣り場の魚の数や環境、そして何より無駄に魚を殺してしまっていることについて、SNSに大量の釣果をあげる人たちにも少し考えてほしいものです。
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