管理釣り場で、針外しに時間がかかってしまい、リリースした魚が目の前で沈んでしまった経験はありませんか?私は、正直に言うと何度もあります。その度に、タモですくって持ち帰り、食べて供養することもありますが、持ち帰り禁止や持ち帰り数が制限されている釣り場だとそうもいきません。そんな時、無力感と後ろめたさを感じながら釣り場を後にすることもありました。
特にフライ釣りでは、針が小さいため、魚に飲み込まれてしまうことがよくあります。また、手で魚を触れない管理釣り場では、フライを外すのに時間がかかることも。始めたばかりの頃は、「ビクに入れたらリリースできない釣り場」や「50cm以上の魚は1匹しか持ち帰れない」なんて条件があると、大きい魚がもう釣れないように祈りながら釣っていました。魚をリリースするときも、水になじませるように時間をかけて、優しく逃がしていました。
そんなある日、私の釣りの師匠が突然、「そんなリリースの仕方じゃダメだ!」とお叱りを受けました。そして「こうするんだ!」と、彼は一投で魚を釣りあげ、針を外すと50cmほどの高さから魚を勢いよく池に投げ入れたんです!
驚く私に師匠はこう言いました。「針を外すのに時間がかかって弱った魚は、腹打ちをさせてリリースした方が生存率が上がるんだ!」とのこと。理由は、空気を吸った魚が腹を打つことで、口から空気が抜けるのか、衝撃で気合が入るのかは分かりませんが、とにかくその方が死なないそうです。「次からこうやって逃がせ!」と彼は言い、釣り上げた魚を次々と私にリリースさせてくれました。
最初はうまく投げられず、魚が浅瀬に頭をぶつけたりもしましたが、コツをつかむとスムーズにできるようになりました。50cmほどの高さからフィッシングネットを使って、クルっと回しながら魚をリリースすると、簡単に腹打ちさせて逃がせることがわかりました。
この一見乱暴に見えるリリース方法ですが、これを始めてからは、魚が死んでしまうことが格段に減りました。実は、師匠が毎回魚を乱暴に投げ入れてリリースしているのを見て「乱暴な人だな」と思っていましたが、これにはちゃんとした理由があったんです。普段は厳しいことを言う師匠ですが、魚を思いやる気持ちが強い優しい方なんだと改めて感じました。
もし、あなたもリリースした魚が死んでしまうことが多いなら、一度この方法を試してみてください。確実に死亡率が下がると思います。ただし、知らない人が見たら「乱暴者」と思われるかもしれませんが、そこは魚のためを思って、ぜひ取り組んでみてください。
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